2011年の東日本大震災以降、「国民の生活と安全を守る」仕事が注目されており、警察官、消防官、自衛官を志望する学生が増えた。こうした公務員の採用に強い大学はどこか。「大学ランキング2018」(朝日新聞出版刊)から、上位大学の顔ぶれと特色を紹介する。

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 警察官採用ランキングは、「大学ランキング」誌が掲載を始めた2006年から、日本大がトップを続けている。採用者数は150~200人で推移しており、毎年、2位以下を大きく引き離している。警察官には巨大な日大ネットワークが築かれていることになる。

 学部別に採用数をみると、法学部が圧倒的に強い。2016年春の卒業生は、警視庁に31人、神奈川県警に7人が採用されている。同学部の公務員講座には、3年生を対象とした「警察官・消防官直前コース」が設置されていて、採用試験に出題される教養科目のポイントを学び、予想問題に徹底的に取り組み、模擬試験も受ける。法学部以外では、文理学部で17人、商学部、生物資源科学部でそれぞれ10人が警視庁に採用された。

 日大は2016年に危機管理学部を開設した。「社会の安全を脅かすあらゆるリスクを研究対象」としており、専任教員の経歴を見ると、埼玉県警察本部長、山梨県警察本部長、内閣情報調査室内閣参事官、公安調査庁調査第二部第二課長などが並び、かなり骨太だ。同学部は就職先の想定として「警察官」を掲げており、警察官採用者数ランキングでは、しばらく日大の天下が続きそうだ。

 採用者数が右肩上がりを示しているのは、帝京大である。

 12年の64人(11位)から、65人→78人→89人と増え、16年は133人(3位)に。4年間で倍増した計算になる。同校のウェブサイトには、こう書かれている。

「警視庁OBが大学職員として勤務しており、公務員志望学生に対する相談・実践的模擬面接を行い、公務員(警察官)に関するガイダンスも実施しています」

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