【タイプ3】月経が遅れ気味 気の停滞タイプ

「肝」は「気(エネルギー)」の巡りをスムーズに保ち、月経周期を調節する働きを担っています。また、気は血と一緒に体内を巡り、血の流れをサポートしています。そのため、過剰なストレスなどで肝の機能が低下すると、気の巡りが停滞し、血流にも影響するように。その結果、月経がスムーズに起こらず、周期が遅れがちになるのです。

 このタイプの養生は、肝の働きを整え、停滞した気をスムーズに巡らせることが基本。更年期はイライラやストレスを感じやすいので、なるべく気持ちを穏やかに保つよう心がけましょう。

<気になる症状>
月経:月経周期が長くなる(遅れ気味)
その他:憂うつ、イライラ、怒りっぽい、胸が重苦しい、のどの詰まり感、不安感、偏頭痛、肩こり、胃痛、お腹の張り、乳房の張り、口の中が苦い、舌辺が紅い 

<食の養生>
香りの良いもの、酸味の食材で肝を整える。
陳皮(みかんの皮)、まい瑰花(まいかいか)、月季花(げっきか)、ジャスミン、ミント、菊花、三つ葉、大葉、春菊、香草類、グリーンピース、わかめ、あさり、しじみ、酢、レモン、 梅など

【タイプ4】生理痛がつらい 冷えによるお血(おけつ)タイプ

「血」は冷えると固まる性質があり、身体が冷えがちな人は「お血(血行不良)」を招きやすくなります。中医学では“流れが悪くなると痛みを生じる(不通則痛)”と考えるため、お血の状態が続くと月経痛が強く現れるように。また、血流が悪いため月経が遅れがちで、経血に血塊が見られることも特徴です。

 このタイプの養生は、冷えがちな身体を温めて血流を良くすることが基本。夏のクーラーや冷たい飲食なども冷えの要因となるので、季節を問わず“温活”を意識することが大切です。

<気になる症状>
月経:月経痛、月経周期の乱れ(遅れ気味、不規則)、経血に黒い血塊が多い
その他:冷え、頭痛、手足のしびれ、むくみ、シミが多い、舌の色が暗くお斑(おはん)・お点がある
こんな人も参考に:子宮筋腫、内膜症、卵巣のう腫

<食の養生>
身体を温め、血流を良くする食材を。
月季花(げっきか)、紅花、よもぎ、シナモン、しょうが、ねぎ類、らっきょう、なす、黒きくらげ、黒豆、小豆、黒糖など

■暮らしの養生

● 十分な睡眠で心身を整えて。夕方以降のカフェインは控えましょう。
● バランスの良い食事でしっかり栄養を。冷たい飲食やアルコールは控えめに。
● ウオーキング、ヨガなど有酸素運動を習慣に。体内の気・血を巡らせます。
● シャワーで済ませず入浴を。冷えを予防し、心身の疲労を回復します。
● 趣味を楽しんだり、外に出かけたり。気持ちをリラックスさせる時間を持って。
● 女性の不調に効くツボ「三陰交」をマッサージ

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。1979年、来日。1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。
監修:菅沼 栄先生(中医学講師)1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。1979年、来日。1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。

本記事は、イスクラ産業株式会社が発行する情報誌『チャイナビュー』より、一部改変して転載しました。同誌は日本中医薬研究会の会員店で配布しています