更年期から閉経にかけて、さまざまな症状があらわれます ※写真はイメージです (c)GettyImages
更年期から閉経にかけて、さまざまな症状があらわれます ※写真はイメージです (c)GettyImages

 女性にとって「閉経」は大きな関心ごと。いつかは生理がなくなるとはわかっていても、突然終わるの? 何か変わる? など、不安や疑問を感じることも多いのではないでしょうか。今回は、そんな女性にとってのターニングポイントとなる閉経について、日本の漢方のルーツである中国の伝統医学「中医学」をもとに、1.月経周期が乱れがちなタイプ、2.月経量が少ないタイプ、3.月経が遅れ気味のタイプ、4.生理痛がつらいタイプの4つのタイプ別に【月経の変化や身体のケア方法】などをご紹介します。

【写真】監修の中医学講師、菅沼 栄先生

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■閉経前は月経が乱れがちに

「閉経」は、月経が完全になくなる状態のこと。日本人女性の平均的な閉経年齢は50・5才で、医学的には“1年以上月経がない”場合を閉経とします。

 閉経が訪れる基本的な要因は、加齢による卵巣機能の低下です。月経は女性ホルモン「エストロゲン」の分泌によって起こりますが、40代に入ると卵巣機能が衰え、エストロゲンの分泌量も急激に低下。また、もともと持っていた数百万個の「卵胞」も残り少なくなり、徐々に月経回数が減って、やがて完全に止まります。その過程で、エストロゲンはアップダウンを繰り返しながら減っていくため、閉経前は月経量や月経周期が乱れやすくなるのです。

 中医学でも、閉経を迎える年齢は西洋医学とほぼ変わらず49才が目安とされています。女性の身体は“7の倍数”の年齢で変化が訪れるとされ、49才頃には妊娠や月経に関わる経絡(けいらく:気血の通り道)の働きが低下。卵巣などの女性機能も衰えて、閉経が訪れます。

 閉経前は身体のバランスを崩しやすく、月経と密接に関わる「気(エネルギー)」「血(けつ)」の状態も乱れがちになります。月経の不調も起こりやすくなるため、特に40代半ばからは体質を整えることを意識して、閉経までの期間をなるべく穏やかに乗り切りましょう。

■閉経前の月経の変化

 個人差はありますが、閉経前の月経には次のような変化が見られます。

●月経周期 :長くあいたり、短くなったり、周期が安定しない。
●月経の量 :少なくなることもあれば、極端に量が増えたり不正出血が起こったりすることも。
●月経期間 :1~2日で終わることもあれば、無排卵月経で長期間だらだらと続くことも。

■タイプ別 閉経前の体質ケア

 閉経前の月経の乱れは、「肝腎(かんじん)の虚弱」「気血(きけつ)不足」「気の停滞」「冷えによるお血(おけつ)」といった不調が主な要因に。この時期にきちんと身体をケアすれば更年期を穏やかに過ごすことにもつながるので、気になる症状がある人は積極的に体質を整えましょう。

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月経周期が短い、経血が少ないタイプの注意点とは