ここまで選手を挙げてきて気付くことに、ここ数年で選手が若返ったこと、そして男子同様に海外組が増えたことがある。ただ、佐々木則夫監督のもとで日本が世界一となった2011年の頃とは女子サッカー全体の事情も大きく変化しており、アメリカの強さは変わらずも欧州各国での女子サッカーの地位が向上。それによって代表チームも大きく強化されており、今年3月に発表された最新のFIFAランクでは、アメリカ、ドイツの1位、2位に続き、スウェーデン、イングランド、フランス、カナダ、スペイン、オランダ、ブラジル、オーストラリアまでがトップ10。日本は前回(2022年10月)と変わらず11位となっている。

 このFIFAランクが大会結果に直結する訳ではないことは多くの者が知っているが、日本が優勝候補ではないことも確かだ。「奇跡の優勝」とも言われた2011年のW杯でも、日本のFIFAランクは5位(組み合わせ抽選会の時点)だった。果たして「なでしこジャパン」が再び、12年前を上回る“奇跡”を起こせるか。グループリーグは、第1戦がザンビア、第2戦がコスタリカ、第3戦がスペイン。男子サッカーのカタールW杯の日本代表の歓喜を思い起こさせる組み合わせ(ドイツがザンビアに変わったのみ)で縁起がいい。12年前よりも世界各国の実力差は縮まっており、思わぬ波乱が起こり、躍進するチームが出現する可能性は大いにある。再び女子サッカー界を盛り上げるためにも、今夏の「なでしこジャパン」の快進撃が必要になる。(文・三和直樹)