鹿島に5年ぶりに復帰した昌子源
鹿島に5年ぶりに復帰した昌子源

 開幕から2カ月が経過。J1リーグ戦は全34節中、約4分の1にあたる第8節までを消化した。すでに前評判とは異なる予想外の上位&下位争いとなっているが、その中で各クラブの「新戦力」に注目。チームの勝敗同様、“明暗”が分かれている中で、新天地で躍動している選手と苦戦している選手を5人ずつピックアップしたい。

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 躍動中の「新戦力」の1人目は、キャスパー・ユンカー(名古屋)だ。浦和からレンタル移籍の形で加入したデンマーク人ストライカーは、横浜FCとの開幕戦の開始4分に早々と移籍後初ゴールを決めると、第4節の柏戦、第6節の新潟戦、第8節の川崎戦とゴールネットを揺らし、ここまで計4得点。先制ゴールが3点、逆転ゴールが1点と、すべてが殊勲弾であることも高評価で、縦に速いシンプルな攻撃の中で永井謙佑と好連携も披露しながら、自身の長所である豊かなスピードと鋭い抜け出し、そして高い決定力を存分に発揮している。昨季は故障やコンディション不良を理由に出番を減らしたが、今季は心身ともに充実しており、8試合で勝点17(5勝2分1敗)の2位と好スタートを切ったチームの新エースに君臨。まだまだ得点数を伸ばしそうだ。

 2人目は、そのユンカーを放出したチームの最終ラインで欠かせない男になっているマリウス・ホイブラーテン(浦和)だ。高さとスピードを兼備したノルウェー出身の左利きのセンターバック。高い対人能力だけでなく、優れたビルドアップ能力を持ち、最終ラインでのパス回しに安心感をもたらしながら、高精度のロングフィードで一気に相手の急所を突いて攻撃面でも貢献している。ここまでリーグ戦全8試合にフル出場し、相方のショルツとの連携も抜群。埼玉スタジアムで行われた第8節の札幌戦では、試合終了間際にFKからのボールに頭で合わせてJ初ゴールをマーク。チームもここまで勝点16(5勝1分2敗)の4位。開幕2連敗スタートが嘘のように白星を重ねてきた原動力となっており、すでに浦和サポ―ターからも信頼と愛情を手にしている。

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