ある永田町関係者はこう語る。

「いわゆる“千葉都民”が多い千葉5区は票が読みづらい半面、予想外の当選者を出す選挙区だ。市長室にシャワー室を設置するなどハチャメチャな市政を行い、本来なら強いはずの2期目の選挙で供託金没収で惨敗した村越祐民・前市川市長を2003、2009年と2度も衆院選で当選させていた。しかも自民党が補選の原因をつくり、さほど強い候補を擁立していないのに、野党はみすみすチャンスを逃している」

 なお自民党では今回の補選については、落下傘候補は派閥単位で支える予定だという。千葉5区に全力投入の志公会のほか、銀座のクラブ「稲葉」のオーナーの白坂亜紀氏を擁立した参院大分選挙区は、当選した際は会派入会含みで清和研が一手に仕切る。

 もし負ければ岸田文雄首相の責任になるのではなく、ポスト岸田を狙う次期リーダーの責任というわけだ。千葉5区の勝敗は将来の総理総裁を狙う河野氏の将来をも決めることになる。

 それゆえ、当初は「勝利の可能性は高い」と言われていた千葉5区の世論調査の数字には、志公会はショックだったに違いない。果たして挽回(ばんかい)を図れるか。

(政治ジャーナリスト・安積明子)

 ■あづみ・あきこ 兵庫県出身。慶應義塾大学経済学部卒。国会議員政策担当秘書資格試験に合格し、政策担当秘書として勤務。その後テレビなど出演の他、著書多数。「『新聞記者』という欺瞞|『国民の代表』発言の意味をあらためて問う」(ワニブックス)などで咢堂ブックオブイヤー大賞(メディア部門)を3連続受賞。近著に「眞子内親王の危険な選択」(ビジネス社)。趣味は宝塚観劇。

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■あづみ・あきこ/兵庫県出身。慶應義塾大学経済学部卒。国会議員政策担当秘書資格試験に合格し、政策担当秘書として勤務。その後テレビなど出演の他、著書多数。「『新聞記者』という欺瞞|『国民の代表』発言の意味をあらためて問う」(ワニブックス)などで咢堂ブックオブイヤー大賞(メディア部門)を3連続受賞。近著に「眞子内親王の危険な選択」(ビジネス社)。趣味は宝塚観劇。

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