サッカー界は昔から上下関係が緩めな部分はありました。とはいえ90年代、(試合中に)中田英寿がベテランの井原正巳を呼び捨てで呼んだ時はさすがに物議を醸した。(日本のスポーツ界では大なり小なり上下関係がある中で)今回の侍ジャパンの雰囲気は時代の変化を痛感した」(サッカー専門誌編集者)

 これまでも侍ジャパンは2度WBCで優勝していたが、今回は一度も負けることなく7連勝で世界一まで登りつめた。元々「史上最強」との評価もあり選手の能力は高かったが、各々が持てる力を遺憾なく発揮できたのは、チームにそれを後押しする雰囲気が醸成されていたというのもあっただろう。今大会では日系人で初めて侍ジャパンの一員としてプレーしたラーズ・ヌートバー(カージナルス)を含め、年齢や国籍を問わず、同じ目標に向かって戦えたことは何より大きかった。大谷が優勝を決めた後に発言したように、実力、雰囲気ともに今回の侍ジャパンは「最高のチーム」だった。