3月13日夜の新橋駅前。顎マスクをしている人の姿も目立った。画像を一部加工しています(撮影/上田耕司)
3月13日夜の新橋駅前。顎マスクをしている人の姿も目立った。画像を一部加工しています(撮影/上田耕司)

 13日、新型コロナウイスル対策としてのマスク着用が、屋内外を問わず「個人の判断」となった。実質的な“脱マスク”となった初日、夜の繁華街でのマスク装着率はどうだったか。飲み会などで会社員が多く行き交う、JR新橋駅前で取材した。

【夜の新橋にはノーマスクで歩く女子高生の姿も】

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 新橋駅にほど近い飲食街の一角。まず、夜の街に人々が繰り出し始める午後5時から8時までの3時間、マスクの着用率を調べてみた。定点観測をしてみたところ、マスクを着用している人は2317人、マスクをしてない人は299人という結果となった(顎にマスクを下ろしている人はマスク着用とカウント)。「脱マスク」をしていた人は約11.4%にとどまり、夜の繁華街でも、まずは様子見といった感がある。

 そんななか、1割強の人たちはどのような理由でマスクを外したのか。ノーマスクで歩いていた足立区から来たという高校1年生に話を聞いた。

「バイト先のコンビニでは『店員はマスクを外しちゃダメ』とまだ言われています。でも、プライベートでは、今日はマスクを外して家を出ちゃいました。電車の中でもしなかったですね。周囲の視線は少し気になるけど、もう関係ない。私、アトピーだからマスクすると肌荒れがひどくなるんですよ」

 これから焼鳥店のアルバイトへ向かうという。

「そこの店はゆるいからマスクをしなくて大丈夫。店員の任意という形になっています」

 神奈川県から来たという31歳と37歳の女性2人組。31歳の女性はマスクをしておらず、37歳の女性は顎までマスクを下ろしていた。31歳の女性はこう話す。

「今日の解禁に合わせて、ここに来る途中で外しちゃいました。マスクがない方が開放的だし、もうマスクと付き合いたくない。混雑した電車やバスの中では『マスク着用が効果的』と推奨されていますけど、推奨ならもうしないです」

 スーパーの前にいた、母親と小学2年生と6年生の親子連れに声をかけると、母親は息子たちのマスク着用についてこう話した。

「息子たちは区立小学校に通っていますが、6年生の息子は今朝、学校へ行く時はマスクなしで行ったんですが、学校で口論になったそうで、マスクをつけて帰ってきました」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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「何でマスクしないの、つけろ」という圧力