地震発生後のトルコ・アンタキヤ(写真/アフロ)
地震発生後のトルコ・アンタキヤ(写真/アフロ)
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 トルコ南部からシリア北部にかけて6日に発生した大地震で多くの建物が倒壊し、これまでに8000人以上が死亡した。救助活動が進むにつれて死者数はさらに増える恐れがある。フォトジャーナリストの小松由佳さんは10年ほど前からトルコ南部を取材してきた。さらに、この地域にはシリア出身の小松さんの夫の親族が大勢暮らしている。震災直後から現地と連絡をとり続けてきた小松さんに聞いた。

【動画】トルコ地震直後、建物が倒壊し、叫び声があがるアンタキヤの街(小松由佳さんの知人撮影)

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「町を歩いていると、建物が崩れたがれきの中から『助けてくれ』って、声が聞こえる。そんな救いを求める声があちこちから聞こえる。だけど、重機がないと何もできない。それが本当につらい、と」

 トルコ南東部の街アンタキヤに住む友人から、小松さんはSNSのボイスメッセージで悲痛な言葉を聞いた。

■水、食料の配布はない

 米地質調査所(USGS)によると、地震発生は現地時間6日午前4時17分(日本時間6日午前10時17分)。地震の規模を示すマグニチュード(M)は7.8。震源はトルコ南部ガジアンテップの西約34キロ、深さは約18キロ。

 小松さんの親族は主にガジアンテップ、アンタキヤ、オスマニエといった地方都市のほか、シリア国境に近いレイハンルに住んでいる。

 地震発生直後から小松さんは親族と連絡を取り続けてきたが、まだ数人の消息がわからないという。

「早朝、まだ多くの人が寝ているときに地震が起きました。揺れの時間は5分くらいと、かなり長かったようです。すぐに必要なものだけを持って外に避難した。これほど大きな地震を経験したことがないと、みんな言っています」

 地震発生から約26時間後、現地時間7日6時ごろ(日本時間7日14時ごろ)、レイハンルに住む知人に電話すると、家から少し離れたところでたき火をして夜を明かしたという。

「毛布をかぶっているけれど強い雨が降っていて、本当に大変だと、言っていました。みんな、公園や空き地、路上、広場、車の中に避難している。電気、ガス、水道は途絶えています。少なくとも親族はまだ水や食料の配布を受け取っていません。ただ、レイハンルには高層建築が少ないので、人的被害はそれほど大きくないそうです」

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日本でも起こるのか?