「薬は水で飲むのが基本」と述べましたが、水にも注意が必要なものがあります。ミネラルウォーター、とくにカルシウムやマグネシウムなどを多く含む「硬水」は、骨粗鬆症の治療薬など一部の薬と一緒に飲むことで、薬の成分が吸収されにくくなることがあります。

 また、炭酸水は胃腸の動きを活発にします。そのため、炭酸水で薬を飲むと胃にとどまる時間が短くなり、さらに腸で十分に吸収・分解される前に排出されてしまい、作用が弱まることも。

 薬と飲み物に関わらず、一緒にからだに入るものはすべて、それぞれが影響しあいます。過度に心配しすぎることはありませんが、日ごろから「からだの中に入れるものは、からだに影響をおよぼすものである」と意識することが大切です。

 薬の服用時に必要な注意事項については、処方するときに必ず薬剤師がお伝えします。説明をよく聞き、指示に従って服用しましょう。

(文・出村真理子)

小黒佳代子氏(本人提供)
小黒佳代子氏(本人提供)

小黒佳代子氏
薬剤師。株式会社ファーマ・プラス専務取締役。大学病院、調剤薬局等での勤務を経て2009年より現職。地域医療や在宅医療などにも積極的に取り組む。