少子高齢化に円安、コロナ禍……日本経済をとりまく暗いニュースが多い中で、「ウチの会社、大丈夫かな?」「これから先、ビジネスパーソンとして生き残っていけるだろうか?」と不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
10万部を突破した『トヨタの会議は30分』(すばる舎)の著者で戦略プロデューサーの山本大平さんは、「組織や前例に縛られず、自分で考えて答えを出すスキルがあれば、明日会社がなくなっても生き残ることができます」と断言します。トヨタ、TBS、アクセンチュアを渡り歩いた山本さんが一貫して大切にしてきた「自分の頭で考えて答えを出す」方法論を一冊に凝縮したのが、新刊『独立思考』(朝日新聞出版)。山本さんが「独立思考」を身につける上でのポイントや、「独立思考」の成果を最大化するコミュニケーションの重要性などについてお聞きしました。
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■「独立思考」の三原則とは?
――『独立思考』のもくじを見ると、まず「思考の『独立宣言』をする」という見出しが目を引きますね。
本書では「組織に依存せず、前例や慣習にもとらわれずに、自分の頭で物事を見極め、考え、成果を挙げる」ための思考法を「独立思考」と定義しています。さらに、「独立思考」を身につけるための考え方と行動の3つの原則を「思考の『独立宣言』」として紹介しています。
<思考の「独立宣言」>
原則(1) 疑え!
原則(2) 現場で!
原則(3) シンプルに!
「原則(1) 疑え!」は、世の中にある情報や見聞きしたことを鵜呑みにせず、すべてをゼロベースで疑い、情報の精度を確認すること。これが「独立思考」を身につける第一歩となります。
その「疑え!」にも関連するのが、「原則(2) 現場で!」。ウェブ情報や人から見聞した情報だけでは、物事の真偽は見極められません。そこで、必ず現場に行って事実を確認することが重要になります。