俺が書いたのは、実際に戦った者でないと知りえないレスラーのすごさやその対比だ。そうやって戦った者やそれを見たファンが語り継がれるレスラーがこれからも生まれてほしいし、オカダにもそういうレスラーになってほしいと思う。俺の今の状態についてもオカダは「そんな病気に負けるような天龍源一郎じゃないでしょ!」と言っているが、これは長州がよく言うセリフ「お前に俺の何がわかるんだよ!」をそのままぶつけてやる(笑)。

 俺が65歳まで現役を続け、いろいろなケガやダメージが重なってできたからだだから、オマエにはまだまだわからないことが多いぞ! 先輩レスラーとして、後輩には俺と同じようになってほしくないから、俺や何人かのレスラーがからだを代償にして贈ったメッセージだと思って、もう一度、鍛錬して、ケアして、自分を高めていってほしい。いつまでも一休みしてないで、語り継がれるレスラーになれよ!

(構成・高橋ダイスケ)

天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)/1950年、福井県生まれ。「ミスター・プロレス」の異名をとる。63年、13歳で大相撲の二所ノ関部屋入門後、天龍の四股名で16場所在位。76年10月にプロレスに転向、全日本プロレスに入団。90年に新団体SWSに移籍、92年にはWARを旗揚げ。2010年に「天龍プロジェクト」を発足。2015年11月15日、両国国技館での引退試合をもってマット生活に幕を下ろす。

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天龍源一郎

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天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)/1950年、福井県生まれ。「ミスター・プロレス」の異名をとる。63年、13歳で大相撲の二所ノ関部屋入門後、天龍の四股名で16場所在位。76年10月にプロレスに転向、全日本プロレスに入団。90年に新団体SWSに移籍、92年にはWARを旗揚げ。2010年に「天龍プロジェクト」を発足。2015年11月15日、両国国技館での引退試合をもってマット生活に幕を下ろす。

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