アジア勢が今大会で「結果」に拘りたいのは、次回2026年の北中米大会から参加国が現行の32から48に拡大されることに伴い、アジアの出場枠が「4.5枠」から「8.5枠」に増加されることも大きな理由にある。カタール開催となった今大会でも開催スケジュールや人権問題など様々な問題が噴出し、改めてFIFAの「金儲け主義」が批判に晒されているが、次回大会での「アジア4枠増」も中国代表および中国企業の資金力を多分に意識してのこととして世界中のサポーターから冷ややかな視線を送られている。その評価を覆すためには、今大会でのアジア勢の戦いぶりが非常に大事になる。

 すでにサウジアラビアがアルゼンチン、日本がドイツを下して「番狂わせ」を起こせる力があることは証明した。あとは、ここからどこまで勝ち上がれるか。今大会も含めて今後、アジアの複数チームが常にベスト16、ベスト8に進出できるようになれるか。アジア全体のレベルアップは日本サッカーの強化に絶対に必要なこと。アジア勢が勝利しても「大金星」や「番狂わせ」と騒がれない時代を目指し、まずはカタールの地で、より多くのゴールと勝利を奪い取ってもらいたい。(文・三和直樹)