結果が出せない理由はそれぞれだが、プライベートで連日のように飲み歩いて自分を見失ってしまった選手も過去にはいた。セ・リーグの球団から1位指名され、高卒で入団したある選手はその代表格とも言える。当時のスポーツ紙番記者は、こう振り返る。

「打撃技術に関しては天才でした。高卒1年目から活躍して将来は首位打者になれる逸材だった。ただ地元のスター選手になったことで、タニマチから連日のようにお呼びがかかって酒を飲み歩く生活になった。朝から酒臭くて、野球に身が入っていない。目立った活躍ができないまま、ひっそりと現役引退しました。責任はその選手にありますが、高卒の子供が今まで手にしたことのない契約金を受け取り、誘惑の多い世界に放り込まれる。球団も管理しなければいけないと感じました。浅野は未成年なのでお酒は飲めませんが、活躍しても夜のネオン街に連日繰り出すような選手にはなってほしくない。地に足がついている選手なので大丈夫だと思いますが…」

 この選手の入団時は30年以上も前なので、時代は違うかもしれない。ただ、最近はプロ野球選手のプライベートのトラブルが週刊誌に報じられるケースも目立つ。選手たちを預かる球団の責任は大きい。浅野が子供たちの良き模範となる選手になることを願うばかりだ。(梅宮昌宗)