※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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がんと診断されて「頭が真っ白になって、そのあと何を言われたか覚えていない……」。そんな人は多くいます。想定していなかったことに気が動転してしまうのも当然です。しかし、いつまでも動揺していられないこともあります。病院選び、治療法の選択、治療中の生活や仕事への対応など、考えなければならないこと、おこなうべきことがたくさんあります。

 あらかじめ何をすればよいか知っていることで、自分にあった治療や支援を受けることができます。そこで今回は、国のがん対策の一環で整備が進んでいる「がん診療連携拠点病院」(がん拠点病院)や相談窓口について、国立がん研究センターがん対策研究所がん情報提供部の高山智子部長に聞きました。Q&A形式で解説します。前編に続いて、後編をお届けします。

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Q 持病がある場合、がんの治療は、がん専門の病院と総合病院のどちらがいいのでしょうか?

A 持病が心配な場合は、そのことをまず担当医に話しましょう

 がん以外の病気(持病)を持っている場合には、その病気について、また、どんなことが心配かを必ず担当医に話しましょう。場合によっては、持病も一緒に診ることができる病院(総合病院など)への紹介や、すでにかかっている病院の担当医と連携してもらいながら治療をしてもらうことも可能です。「○○がんセンター」などのがん専門病院には、がん以外の病気の専門医はいないことが多いですが、一部には循環器内科(腫瘍循環器科)、糖尿病・内分泌科などを設け、がん専門病院でもがん患者の心臓病や糖尿病などの管理をおこなっているところもあります。

 糖尿病、心臓病、腎臓病など持病の状態によっては、手術や抗がん剤などによる薬物療法で合併症が起こるリスクが高まることもあります。持病がある状態で、がんの治療実績などからがん専門病院を希望する場合は、必ずその病気のことを担当医に伝え、どのように持病とがんの治療を受けたらいいか、相談してください。どう相談したらいいかわからない、診療時間が限られていて、担当医に相談しにくいなどがあれば、相談支援センターで相談してみましょう。

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治療する病院を選ぶには?離れていたら大変?