しかし、そんな岩崎よりもある意味狙い目の選手と言えるのが同じ阪神のサウスポー岩貞祐太だ。プロ入り当初は先発を任され、3年目の2016年には10勝もマークしたが、その後は成績が低迷。一昨年の途中から中継ぎに転向となったものの、昨年は46試合の登板で防御率は4点台と安定感に欠ける内容だった。しかし今年はシーズンを通して安定したピッチングを披露。9月21日の広島戦で6失点(自責点4)を喫して最終的には防御率2点台となったが、それまでは1点台とセットアッパーとして十分な成績を残した。

 先発時代と比べて明らかにストレートの勢いはアップしており、今年は自己最速となる154キロもマークしている。年齢的には岩崎と同じで来年32歳となるが、ピッチングの若々しさで言えば今年に関しては岩貞の方があるように見えた。そして何よりもお得なのが獲得した時に人的補償を必要としないCランクの選手ということだ。巨人は過去にも人的補償で移籍した選手が他球団で活躍している例も多いだけに、そういう意味でも権利を行使した場合には是が非でも狙いたい選手と言えるだろう。

 一方の野手では森友哉(西武)、浅村栄斗(楽天)、近藤健介(日本ハム)と各ポジションに権利を行使すれば目玉となりそうな選手が控えている。もちろん彼らも欲しい選手ではあるが、それ以上に推したい選手として西川龍馬(広島)の名前を挙げたい。今年はコンディション不良もあって97試合の出場に終わり、規定打席には到達できなかったものの、打率と長打率は過去最高となる数字をマーク。

 天才と呼ばれるバットコントロールに加えて、年々長打力も増しており、ホームランの出やすい東京ドームが本拠地となれば20本塁打以上も十分に期待できる。外野の守備も安定しており、年齢的にも来年で28歳とまだまだ若いのは大きな魅力だ。同じく広島から加入した丸佳浩の後釜として最適な人材であり、また慣れている同一リーグでの移籍という点は西川にとってプレーしやすいという面もあるだろう。

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近年は獲得競争に敗れることも増えた巨人