今年はオフの“主役”となりそうな巨人の原辰徳監督
今年はオフの“主役”となりそうな巨人の原辰徳監督

 2年ぶりのリーグ優勝はおろか、クライマックスシリーズ進出も逃した巨人。2年連続で勝率も5割(68勝72敗)を下回っており、これは長い球団の歴史の中でも2度目のことである。最終的には続投に落ち着いたものの、先日は原辰徳監督が進退伺を提出していたことも明らかとなった。

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 低迷するチームの状況から噂されているのが、お家芸とも言えるオフの大型補強だ。2016年オフにはフリーエージェント(以下FA)で山口俊、森福允彦、陽岱鋼と3人の選手を獲得しているが、人的補償のリスクや近年移籍する選手が減っていることを考えると、FAで補強するのは多くても2人というのが妥当なところではないだろうか。現時点でFA権の行使を公表している選手はいないものの、仮に巨人が2人獲得するのであればどの選手を狙うべきなのか、現在のチーム状況から考えてみたいと思う。

 将来のことを考えると野手に不安が大きいものの、直近に解決したい課題としてはやはり投手陣となる。チーム防御率はリーグ最下位で、特に気になるのがリリーフ陣だ。デラロサは負傷で離脱することが多く、ビエイラは防御率9点台と外国人2人が機能せず、中川皓太も故障などの影響もあり一軍登板なしに終わった。また、抑えでフル回転した大勢の2年目のジンクスも大きな不安要素である。

 先発では阪神の西勇輝の動向が注目を集めているが、右の先発タイプは若手にも多いだけに、やはりリリーフを優先したい。そこで筆頭候補として挙げたいのが同じ阪神の岩崎優だ。今年は開幕直後からケラーに代わって抑えを任されて28セーブをマーク。6敗を喫するなど手痛い負けも少なくはなかったが、防御率は1点台とさすがの数字を残した。昨年の東京五輪では侍ジャパンにも選出されるなど、大舞台での経験も申し分ない。現時点で去就は明確にしておらず、宣言となれば他球団との争奪戦は必至と思われるが、巨人としては真っ先に手を挙げたい選手の1人であることは間違いないだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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