「木本さんは昔から上下関係にとても厳しい人で、上の人にはとにかく礼節を尽くす。なので、さんまさんや松本さんから『あいつは詐欺なんかしない』と言ってもらえるほど“デキる後輩キャラ”なんです。また、違う事務所の後輩やスタッフにも優しいので、トラブル前に木本さんを悪く言う人はほとんどいませんでした。今回の一件でも、有吉さんやおぎやはぎなど毒舌系芸人でさえ、擁護する発言をしていますからね」

 好感度の高いお笑いコンビとして有名なサンドウィッチマンも、自身のラジオ番組で「あんないい人、いないからね」(伊達)と木本を擁護していた。しかし、松竹芸能の中では“別の顔”があったとも言われている。放送作家は続ける。

「松竹の後輩にはとても厳しいことで有名で、むしろそっちのほうが本当の木本さんだと思います。吉本に対しては常にコンプレックスを抱きつつも、松竹の“風紀委員”として後輩たちを統率してきたという自負が本人にもあるようです。それを疎ましく思っている後輩たちが多いのも事実です。先にクビになった相方の木下さんはナルシストで面倒くさい先輩ということで後輩から嫌われていましたが、木下さんは厳しすぎて嫌われていた。なので、今回の投資トラブルで消え去っていく木本さんを、冷めた目で見ている松竹芸人は意外と多いと聞きます」

■YouTubeでの再起も厳しい

 先述の独占インタビューで木本は、木下の松竹への年内復帰はほぼ確定していたころ、今回の投資トラブルで白紙となったと悔やんでいた。TKOは今も解散しておらず、木下の退所後も2人はときどき会っており、本人らも再出発を図りたいようだ。2人の間には強い絆が感じられるが、そもそもTKOはどんなコンビなのか。お笑い評論家のラリー遠田氏はTKOについてこう解説する。

「デビュー当初のTKOは2人とも見た目が良く、女性ウケしそうなテンポのいいネタをやっていました。しかし、なかなか全国区で売れるためのきっかけをつかめず、何度も東京進出に失敗してくすぶっていました。2008年頃から『爆笑レッドカーペット』などのネタ番組に出るようになり、そこで面白さが認められて、ようやく遅咲きのブレークを果たしました。この頃には木下さんの体形がすっかり変わっていて、イケメンキャラではなくなっていました。そのおかげでコントの中でインパクトが強くコミカルなキャラクターを演じられるようになり、ネタの面白さに磨きがかかっていたのかもしれません」

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