秀島史香さん(写真:著者提供)
秀島史香さん(写真:著者提供)
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 なぜラジオは3時間の生放送でも聞き続けられるのか? ラジオDJとして25年、第一線で活躍し続ける秀島史香さんですが、実は「もともと緊張しがちで人見知りで心配性」といいます。そんな秀島さんだからこそ見つけられた、誰でも再現できる「人が聞き入ってしまう会話のレシピ」を一冊に詰め込んだ『なぜか聴きたくなる人の話し方』からの連載。今回は、ほめるのが苦手な人でも、照れずに伝えられる「ほめ言葉のテクニック」をご紹介します。

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■最近、誰かをほめましたか?

 誰かのいいところを見つけたら、すかさず言葉にして伝える。

 欧米の人は、とにかく人をよくほめます。初対面でも「あなたの靴、素敵ね」「その髪型、似合ってる」などと、ほとんどあいさつ代わりにサラッとほめ言葉をかけてくれます。同僚やパートナー、子どもに対しても、“Hi, gorgeous!(やあ、かわいい人)”“Great job!”“You look fantastic!”と、毎日大げさなくらい「いいね!」を伝え合っています。

 一方、私たちはというと、なんだか照れくさかったり、タイミングをつかめなかったり。「言わなくても、わかるでしょ」な、以心伝心に甘えてしまっているのも事実。

 誰かをほめることについて、「媚びている」「お世辞を言っている」「わざとらしい」と思われないかな、なんて考えすぎてしまい、つい言葉を飲み込んでしまっていませんか?

 自分がほめられたときを考えてみると、「ほめる」に上手下手なんてないと気づかされます。たった一言であっても、人から「いいね」とう気持ちを伝えてもらったら、やっぱりうれしいものです。

 ただ世の中には「ほめられるのが苦手」「ほめられ慣れない」という人もいますから、「いやいや……」と謙遜したり、「そんなこと言っても、何も出ませんよ!」「とんでもない、私なんて」などと、照れ隠しで否定されたり、警戒されたりというときもあります。

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「補足ぼめ」や「時間差ぼめ」でほめバリエーションを増やす