就活で人生を諦めた大卒27歳男性 スーパーのアルバイトで得た自己肯定感と社会との接点

ひきこもり

2022/06/19 10:00

※写真はイメージです(Getty Images)
※写真はイメージです(Getty Images)

 大卒者の13人に1人が、ニートや無職になっているという現実を、どれだけの人が知っているだろうか。理由はさまざまだが、人間関係を構築するのが極端に苦手な人の場合、就職活動がうまくいかず一度「普通の人」のコースを外れてしまうと社会復帰が難しいことは想像がつく。再チャレンジ可能な社会の実現が提唱されて久しいが、実態はどうなのか。ある男性のケースから、世の中のあり方を考えたい。

* * *
 田原悠(仮名)さんは、現在27歳。スーパーでのアルバイトを始めて半年になる。

 仕事は品出しやレジ打ちで、勤務は週5日。基本は9時から17時までだが、時には夜勤に入ることもある。

 母親と二人の実家暮らし。父親は単身赴任中で、会社員の弟はひとり暮らしをしている。

 悠さんは今の仕事に就くまで、大学を出てから一度も働いたことがなかった。

 1年前から、若者の就職支援をする団体のサポートを受けるようになり、ようやく受かったのが今の職場だ。この半年間、仕事は一日も休まずに続けられている。周りからは「次は正社員」と言われるが、今はアルバイトで精いっぱいの日々だ。

「正直、自分としては正社員になるのはずっと先かなと思っています。今のバイトをいつまで続けるかもわからないけれど、職場が変わってもやっていけるような人になりたい」

■嫌われても仕方がない人間だった

 悠さんは、子どものときから人との付き合いが苦手で、おとなしい性格だった。弟ともあまり仲が良くなく、ひとりでゲームばかりしていたという。

「小さいころ、友達はいましたか?」と聞くと、「友達、いたのかな? ときどき遊ぶ子はいたけど、友達だったのかな……」と考え込んでしまった。

 不運なことに、小学校ではいじめにあった。

「嫌われても仕方がない人間だったから」

 寄り添ってくれる先生もいなかったし、母親は「相談できる相手ではなかった」という。

「それはつらかったでしょうね」というと、「相談できる相手が見つけられなかった自分が悪いんです」という答えが返ってきた。

NEXT

いつもボロクソ言われていたから

1 2 3 4 5

あわせて読みたい

  • 「就活うつ」シグナル捉えにくい面も 大学の就職支援オンライン化に課題 

    「就活うつ」シグナル捉えにくい面も 大学の就職支援オンライン化に課題 

    週刊朝日

    12/13

    電車も街中もアホだらけ!?  突如現れた嫌な相手への対処法
    筆者の顔写真

    田村耕太郎

    電車も街中もアホだらけ!?  突如現れた嫌な相手への対処法

    dot.

    2/28

  • コロナ禍の就職支援は? 早稲田、明治…大学もオンライン・チャットで奮闘

    コロナ禍の就職支援は? 早稲田、明治…大学もオンライン・チャットで奮闘

    週刊朝日

    12/13

    「独身おじさん友達いない」問題が意外に深刻 「会社以外ではいつも一人ぼっち」の中年男性はどうすればいいのか

    「独身おじさん友達いない」問題が意外に深刻 「会社以外ではいつも一人ぼっち」の中年男性はどうすればいいのか

    dot.

    7/5

  • エントリーも不可…「学歴フィルター」がある3つの背景

    エントリーも不可…「学歴フィルター」がある3つの背景

    AERA

    9/24

別の視点で考える

特集をすべて見る

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

カテゴリから探す