厚生労働省が今年3月に公表した「令和3年中における自殺の状況」によると、昨年1年間に自殺した人は全国で2万1007人。これを年代別に見ると、50代が3618人と最も多く、60代は2637人、70代は3009人、80代以上は2214人だった。じつに、50代以上が1万1478人と、全体の半数以上を占める。男女別では、男性は1万3939人、女性は7068人と、男性の自殺者数が女性の2倍近い。

 ともに老いていく伴侶はどう対応したらいいのだろうか。

「元気で若いイメージのまま、ポキッと折れてしまう人もいるので、少しでも歳を感じさせるような行動とか、見た目を含めた兆候とか、足腰が弱くなるとかが出てきたら『一緒に老いるんだし、当然じゃないの』と受け止める。『まだまだあなたはできるはず』と励ますばかりではなくて、夫と一緒に少しずつペースを緩めて生活していくくらいがいいと思います。『老いたあなたもステキよ』と、変化を楽しむ余裕が必要です」(香山氏)

(AERAdot.編集部・上田耕司)

◆「日本いのちの電話」相談窓口◆
厚生労働省は悩みを抱えている人に対して相談窓口の利用を呼びかけている。
◆ナビダイヤル 0570・783・556(午前10・00~午後10・00)
◆フリーダイヤル 0120・783・556(毎日:午後4・00~9・00、毎月10日:午前8・00~翌日午前8・00)

著者プロフィールを見る
上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

上田耕司の記事一覧はこちら