「StudyIn ネイティブ英会話」の「清家」(左)と「みっちゃん」(撮影/高橋奈緒=写真映像部)
「StudyIn ネイティブ英会話」の「清家」(左)と「みっちゃん」(撮影/高橋奈緒=写真映像部)

 コロナによる大打撃を受けた留学業界で、業績を伸ばしたベンチャー企業がある。経営の危機を救ったのは、人気英語系YouTuberへと転身した2人の若手留学コンサルタントだった。『AERA English2022』(朝日新聞出版)では、東京都内のオフィスで2人を取材した。

【動画】フォロワー数130万人!「StudyInネイティブ英会話」が教える“勘違い”和製英語

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「What’s poppin’! How are you guys doing?」

 日英バイリンガルの「みっちゃん」と、純ジャパ「清家(せいけ)」の元気な語りかけから始まる「StudyIn ネイティブ英会話」。「日本人が案外知らないネイティブ表現」を楽しく学ぶYouTube チャンネルだ。2人のテンポよいやりとりに、あっという間に引き込まれる。登録者数は60万以上、インスタグラム、TikTokなどSNS総フォロワー数は、130万を突破した。

 転身のきっかけは、WHOがパンデミックを宣言した2020年3月だった。各国の語学学校で留学生の受け入れが中止になり、仕事が激減。会社の名を広めようと、新たにSNS事業部を立ち上げ、清家さんが主担当になった。「最初は、留学や旅行の写真をインスタにあげてみましたが、見にくる人がいなくて(笑)。そこで、留学したい人は英語を勉強するはずと考え、帰国子女であるみっちゃんの力を生かし、英語系に切り替えたのです」(清家さん)

■日本人が案外知らない英語表現を紹介

 まずインスタグラムで1日1フレーズ、便利な英語表現を発信した。

「英語のlemonには『故障品』という意味もある、など意外性を重視してフレーズやスキット(やりとり)を考案しました」(みっちゃん)

 コロナ禍の巣ごもり需要も追い風に、すぐに評判となり、1カ月後にはYouTubeとTikTokを、続けてPodcastも配信。各媒体のユーザーに合わせた内容を、毎日投稿した。「英語学習は継続が命。でも楽しくないと続かない。スキットにオチをつけたり、文化的なネタで海外への関心を引いたり工夫しました」(清家さん)

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