また中日も中尾孝義(1980年1位)、中村武志(1984年1位)と名捕手が続いた後は前田章宏(2001年1巡目)、田中大輔(2006年大学生・社会人1位)と正捕手として期待した捕手が活躍することができなかった。阪神は矢野燿大、中日は谷繁元信という他球団から移籍した捕手が長くプレーしてきた影響は大きく、改めて捕手の世代交代の難しさが感じられる。

 今年のドラフト戦線は1位指名間違いなしという大物捕手は不在だが、来年は守備力、打力ともに高いレベルで備えた進藤勇也(上武大)が早くから注目を集めている。少し気が早い話だが、将来の正捕手を考えて進藤に1位指名する球団が出てくることも、十分に考えられるだろう。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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