巨人・秋広優人(写真提供・読売ジャイアンツ)
巨人・秋広優人(写真提供・読売ジャイアンツ)

 いよいよ開幕した今年のプロ野球。開幕3連戦では松川虎生(ロッテ)と安田悠馬(楽天)がスタメンマスクをかぶり、隅田知一郎(西武)が初登板初勝利をマークするなど、ルーキーや若手の活躍が目立つ。

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 しかしシーズンは始まったばかりであり、開幕一軍を逃した選手の中でもここから浮上してくる可能性を秘めた選手は少なくない。そんな今後に期待の若手について、5人をピックアップして注目ポイントを紹介したいと思う。

 大勢が開幕から2試合連続セーブ、山崎伊織と赤星優志の2人も先発として好投を見せた巨人。投手では他にも堀田賢慎、直江大輔、戸田懐生、山田龍聖など楽しみな投手が増えてきているが、野手でやはり期待したいのが2年目の秋広優人だ。

 オープン戦では結果を残せずに開幕一軍を勝ち取ることはできなったが、二軍では5試合で7安打、1本塁打を放ち、4割近い打率をマークするなど順調なスタートを見せている。身長2メートルと言うが体格が注目を集めているが、打撃スタイルは決してパワー偏重ではなく、柔らかく広角に打つ上手さがあるのも持ち味だ。

 登録は内野手だが、高校時代は投手としても140キロ以上のスピードをマークしており、脚力もあるため外野手としての能力も十分に備えている。チームの外野は丸佳浩、ウィーラー、ポランコの3人が務めているが、ポランコは守備の不安があり、丸とウィーラーも年齢的に休ませる必要が出てくる可能性が高い。どこかのタイミングで首脳陣が抜擢するためにも、二軍で万全の結果を残しておきたいところだ。

 開幕戦で7点差を逆転され、その後2試合は連続で完封負けと矢野燿大監督最後のシーズンに苦しいスタートとなった阪神では大学卒2年目の右腕、村上頌樹を推したい。

 昨年は二軍で10勝1敗と見事な成績を残し、最多勝、最優秀防御率、最高勝率のタイトルを獲得。今年も開幕一軍は逃したものの二軍の教育リーグでは圧巻の投球を見せ、シーズン最初の登板となった3月25日の中日戦でも勝ち星こそつかなかったものの6回を1失点と先発としての役割を果たしている。制球力と投球術は見事で、試合を作る能力の高さは大学時代から定評がある。昨季10勝の右腕・秋山拓巳も調子が上がってきていないだけに、もしもの時はその穴を埋める存在として期待したい。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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開幕3連敗スタートのDeNAにも“面白い存在”