病気を追い出す植物性成分「フィトケミカル」を毎日の食卓に

 ポリフェノールやリコピン、イソフラボンなどの植物性成分は「フィトケミカル」(phytoは植物、chemicalは化学成分の意味)と呼ばれ、強力な抗酸化作用やがん抑制作用、免疫増強作用をもつことが知られています。人はフィトケミカルをつくり出すことはできませんが、それらを含んだ野菜や果物を食べることで植物の力をとり入れ、抗酸化力や免疫力を高めることが可能です。

 フィトケミカルは主に野菜や果物の色素や香り、苦味、渋み、辛み成分に含まれています。しかも、1つの野菜や果物には複数のフィトケミカルが含まれ、緑茶を例にとっても、カテキン、カフェイン、テアニン、サポニン、クロロフィル、GABAなど、関与しているフィトケミカルは実に豊富です。これらの相乗効果で、私たちは健康に役立つ様々な働きを得ることができるのです。

 フィトケミカルには色素成分が多いため、色で考えると分かりやすく、効率的に摂取できます。日頃から様々な色の食品を摂るように意識することで、自然と栄養素をまんべんなく摂ることができるでしょう。

 色鮮やかな夏野菜には、ポリフェノールやカロテノイドが豊富に含まれます。

代表的なフィトケミカルと、多く含む食品一覧
代表的なフィトケミカルと、多く含む食品一覧

毎日の体と心の調整にメディカルハーブを役立てよう

 フィトケミカルを効率よく摂ることのできる方法の1つが、メディカルハーブです。食前にハーブティーを1、2杯飲めば胃が膨れて満腹感を得やすくなり、食べ過ぎを抑えることができます。さらに、ハーブのリラックス作用によってストレスからくる暴飲暴食や嗜好品の摂り過ぎを防ぐ効果も期待できます。また、塩分の摂り過ぎが気になる人は、料理にハーブの香りや味を加えれば、薄味でも満足感の高い食事になります。

 生活習慣病対策としてハーブをとり入れる場合は、以下を参考にしましょう。

生活習慣病対策におすすめのハーブ
生活習慣病対策におすすめのハーブ

監修/入谷栄一(いりたに・えいいち)先生
いりたに内科クリニック院長。総合内科専門医、呼吸器専門医、アレルギー専門医。日本メディカルハーブ協会理事。東京女子医科大学呼吸器内科非常勤講師。在宅診療や地域医療に力を入れる他、補完代替医療やハーブ、アロマに造詣が深く、全国各地で積極的に講演活動も行う。著書に『病気が消える習慣』、『キレイをつくるハーブ習慣』(経済界)など。

日本メディカルハーブ協会HP