女性は更年期がひとつの節目

 女性ホルモンのエストロゲンには血管をしなやかに保つ働きや内臓脂肪を蓄えにくくする働きがありますが、閉経以降は女性ホルモンの保護がなくなり、女性も内臓脂肪型肥満、糖尿病、脂質異常症、動脈硬化などのリスクが高まっていきます。この時期はライフスタイルの見直しがとりわけ重要です。

 メタボリックシンドロームと関係が深いのは、お腹の臓器の周りに脂肪が蓄積する「内臓脂肪型肥満」。内臓脂肪は皮下脂肪よりも食事の節制や運動で減りやすいといわれます。

グラフ「糖尿病が強く疑われる者」の割合
グラフ「糖尿病が強く疑われる者」の割合

食事は内容だけでなく摂り方も重要なポイント

 生活習慣の中でも食事は特に大切な要素。まず、食生活の見直しから始めてみましょう。食生活が整うと、体調がよくなるだけで なく、無理なく適正体重に近づき精神も安定します。次のポイントを押さえましょう。

<バランスよく食べる>
体によいといわれるものでも同じものを大量に食べ続けるのはNG。幅広い食品を摂るようにしましょう。

<規則正しく食べる>
朝食を摂ったり摂らなかったり、まとめ食いをしたりといった不規則な食習慣は、消化吸収だけでなく代謝やホルモンの分泌に影響し、体調不良や肥満を招く原因となります。

<よくかんでゆっくり食べる>
過食を防ぎ、肥満の予防になります。唾液がよく出ることで、虫歯や口臭の予防にもつながり、栄養素の消化吸収もよくなります。

<腹八分目を心がける>
食前にお茶を飲む、一口食べたら箸を置くなど工夫しましょう。いつもお腹いっぱい食べないと満足できない人は、ストレスを食事で解消していないか見直しを。

<野菜から食べる>
野菜・海藻・きのこなどの食物繊維が豊富なおかずを先に食べることで、糖の吸収速度を穏やかにし、高血糖によるダメージや肥満を防ぎます。

<夜遅い食事を避ける>
寝る前の食事は肥満の原因となりやすいだけでなく、睡眠の質の低下にもつながります。できるだけ就寝3時間前には食事を終えるようにし、どうしても摂る場合は軽く済ませましょう。

<外食は賢く利用する>
外食や市販の弁当類はエネルギーと塩分の過多、野菜不足になりがち。利用する場合は単品よりも品数の多い定食を選んだり、野菜や海藻のおかずを追加したり、主食を少なめにオーダーしたりしてバランスをとりましょう。

 健康的な食事の例として「昔の和食から塩分を引き、低脂肪の乳製品を加えた食事」や、「魚介類や野菜をたっぷり使う地中海食から脂質を減らした食事」があります。参考にしてみましょう。

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植物性成分「フィトケミカル」を取り入れるコツ