『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門』(KADOKAWA刊)を出版した安藤なつさん(撮影/写真部・張)
『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門』(KADOKAWA刊)を出版した安藤なつさん(撮影/写真部・張)

 そんな安藤なつさんが介護にまつわる本を出版されたので「出版のきっかけは?」と話を振ると、「KADOKAWAから企画のお話がきたから。それだけです!(笑)」とインタビューにも、さすがの鋭いツッコミ! 

■ハードルが高いと思われる介護の橋渡しに

「なんか、介護に対する根強い意識がフラットになればいいなと思ったんです。介護って、なんか、ものすごくハードル高いじゃないですか。介護のことを調べると難しい言葉ばかりが出てくるし、まず、どこに相談したらいいとか、親の介護に直面してから関わってくるものが多い。その前に、フラットに介護というものはどういうものなのか少しでも知れたらなという気持ちはありました。そんな時に、ちょうど出版の企画をいただき、私が橋渡しができたらなと思いました」

 ボランティアを含めたら介護の仕事歴20年以上の安藤なつさんが言う「フラットになれば」とは?

「介護って、フラットじゃない感じがめちゃくちゃしていましたね! わけわからない横文字とか難しい漢字の用語とかもの凄い出てくるし、“なんの話しているの?”って言うくらいわからないことだらけ。私は介護の仕事現場には行っていますが、介護制度とか仕組みとか全然知らないなと、今回の出版の企画に携わって、介護・暮らしのジャーナリストで『離れて暮らす親のケアを考える会パオッコ』理事長の太田差恵子さんとの対談と取材でわかった。これはみんなに分かりやすく伝えられればなと思いました」

 ヘルパー2級を取得しているものの介護制度に関しては、なんとなくわかっている程度だったそう。

「ヘルパー2級は20年前に取得しているので、何を勉強したか全然覚えていないですね(笑)。すごく難しいことを学んだ記憶はないので、介護制度を学ぶ機会はなかったです。ただ、難しすぎて記憶がなくなっているかもしれません(笑)。それくらい、取っつきにくいものだから、ガイドブック的に本を手に取っていただければ」

 さすが、お笑い芸人で介護職、「記憶にございません」と笑いに巻き込んでくれたが、今回出版された本には介護に直面した時に、知っているのと知らないのでは差がつくおトクな話が満載だ。そんな中でも知っておくといい事は?

「私がこの本で一番感動したのは(笑)、バリアフリー! 親が弱ってきて、家の中をバリアフリーにする時に、その工事費の補助があることを知らなかったです。それはとても役に立つ情報ですね。私の母も高齢になってきたので、お風呂場などの 床をかさ上げしたり、手すりを付けようと思っていたので、“あ、これって実費だけじゃなくていいんだ!”って、気づきました。あと、育児には育児休暇がありますが、介護にも介護休暇があります。それも知らなかった。会社を辞めなくても、お給料をもらいながら介護ができる。今回知ったおトクな制度はめちゃくちゃありましたね」

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意外と知られていない「介護は親のお金を使う」