介護を語る安藤なつさん(撮影/写真部・張)
介護を語る安藤なつさん(撮影/写真部・張)

 人気お笑いコンビ・メイプル超合金のツッコミ担当の安藤なつさんは、ヘルパー2級(介護職員初任者研修)の資格を持っているのは割と有名な話だが、介護歴はなんと20年。このほど『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門』(KADOKAWA刊)を出版。なぜ、そこまで介護の世界にのめり込むのか? 話を聞いた。

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 安藤なつさんが、本格的に介護と関わるようになったのは中学生の時。

「私の伯父が自分の家を改築して介護施設を運営していました。本当に少人数のショートステイなどで、障害のある方が主だったんですが、そこに遊びに行く感覚。高齢の方から小さいお子さんもいたんですが、みんなで公園に遊びに行ったりしていました。毎週、ボランティアで行くようになったのが中学生の時。介護が小さな時から日常にあったので、周りから“介護の仕事はつらいでしょ?”とか聞かれるんですが、介護はツライ、キツイ、キタナイなどのイメージが植えつけられることがなかったので、自分は恵まれていると思います」

 伯父さんの家に介護ボランティアの傍ら、中学生の頃からお笑いにも興味を持ちながらも、20歳のときにヘルパー2級(介護職員初任者研修)の資格を取得。介護の仕事を本格的に始めるが、2015年にはお笑いでも開花。「M-1グランプリ2015」の決勝に進出し、優勝は逃したものの「トップバッターだったメイプル超合金が一番面白かった」と言われるほど、大いに爪痕を残し、一気に人気者になった。お笑いと介護の仕事――なかなか稀な二足のわらじだが、安藤なつさん本人は「好きなだけ」と言う。

「中学生の頃に楽しいなと思ったのはもちろんですが、単に好きな職業が介護だったというだけ。小さい子どもがパイロットになりたいとかケーキ屋さんになりたいというのと変わらないと思います。だから、“介護の仕事は大変でしょ?”って、言われると、好きでやっているんだから大変とかではない。もちろん、大変なことはありますけど、大変だからその仕事をやらないというものではなく、それは他の職業だって大変なことはあるから同じで、気にしたことはないですね」

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