投げる方で飛躍が望まれるのが高田。近い将来に先発ローテーション入りが期待されている。春季キャンプでは高校時代に投球フォームを参考にしていた憧れの存在である松坂大輔氏に対面。伝家の宝刀スライダーを“伝授”され、「決め球にできれば」と手ごたえも感じたようだ。

 16年のドラフト5位で創志学園から巨人入りした高田は、プロ入り2年目の18年に1軍でプロ初先発を経験。2軍でも11勝2敗、防御率2.69、勝率.846という成績で最多勝、最優秀防御率、最高勝率の三冠を獲得し、巨人の将来のエース候補と目されていたが、20年7月に高梨雄平との交換トレードで楽天に移籍となった。

「150キロを超える真っすぐの強さはプロ入り当時から目を見張るものがあった。巨人は左腕不足で高梨が欲しかったため将来性抜群の高田を手放さざるを得なかった。今後はスライダーなど変化球のレベルを高めること、調子の波を小さくして安定感を高めることが大事となる。課題は多いが可能性を感じさせるのは間違いない」(在京球団編成担当)

 楽天は田中将大、涌井秀章、岸孝之、則本昂大、早川隆久など12球団トップクラスの先発投手陣を誇る。だが平均年齢も高くつけ入る隙はあるはず。キャンプではマウンドに上がる機会も多く、チーム内での期待値は高い。

 2人と異なりこれまでの経験を生かした役割を任されるのが炭谷。今年で35歳となるベテランはグラウンド内外でチームにとって大きな存在だ。

 西武時代にはゴールデングラブ賞2度、ベストナインに1度選出され日本を代表する捕手となった炭谷。19年にFAで巨人に移籍後もリーグ2連覇に貢献するなど、捕手としての技量は球界トップクラスを誇る。昨年7月に金銭で楽天にトレードされた際にはシーズン中の大物の移籍ということで話題になった。

「石井GM兼監督は現役時代にバッテリーを組んでいたこともあり評価が高い。西武から楽天へ移籍した投手も多く長所を最大限に引き出せるということで、どうしても欲しかった。また正捕手候補の太田光は昨年11月の手術(左肩)の影響で出遅れている。他の若手捕手も飛び抜けたものがなく炭谷に頼らざるを得ないのではないか」(楽天担当記者)

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GMとしての手腕も問われる石井監督の2年目