今季は定位置確保も期待される広島の正随優弥(写真提供・広島東洋カープ)
今季は定位置確保も期待される広島の正随優弥(写真提供・広島東洋カープ)

 プロ野球のキャンプも徐々に紅白戦や練習試合が始まる時期となったが、ファンが気になるのはやはり新戦力の台頭だろう。特に新監督を迎えたチームでは抜擢人事が行われるケースも少なくない。今回はそんなレギュラー交代が起こりそうなチームのポジションについて探ってみたいと思う。

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!

 昨年まさかの4位に沈み、藤本博史新監督が就任したソフトバンクでは、今年で39歳となる松田宣浩の守るサードがやはり大きなポイントとなりそうだ。そして筆頭候補となるのが今年5年目を迎えるリチャードである。育成ドラフト出身ながら、持ち味のパワーを生かして2020年に支配下登録を勝ち取ると、昨年はシーズン終盤に一軍定着。打率こそ1割台ながら、34試合の出場で7本塁打という結果を残した。三振の多さや守備の不安などまだまだ解消すべき課題は少なくないものの、長打力に関しては一軍でもトップクラスであることは間違いない。自主トレ中に新型コロナウイルスに感染した影響でこのキャンプはC組でのスタートとなったが、4日にチームに合流して開幕一軍を目指している。新たな“育成の星”として、大ブレイクに期待したい。

 もう1人、有力な後釜候補となりそうなのが2020年のドラフト1位で入団した井上朋也だ。ルーキーイヤーの昨年は二軍で45試合に出場して30安打、打率.246とそれほど目立った成績は残していないが、三軍戦ではチームトップとなる8本塁打を放ち、素質の片鱗を見せている。今年のキャンプではA組に抜擢されると、初日から藤本監督が熱心に指導する姿も見られるなど期待の高さを感じさせた。リチャードとの出世争いは今後のチームを占ううえで大きな注目ポイントとなるだろう。

 立浪和義新監督を迎えた中日も複数のポジションでレギュラー交代が起こりそうな機運が高まっている。内野での注目ポジションはセカンドだ。昨年はレギュラーの阿部寿樹が大きく成績を落とし、7人もの選手がスタメンで起用されているだけに、新戦力の台頭は必要不可欠である。

著者プロフィールを見る
西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

西尾典文の記事一覧はこちら
次のページ
中日の二塁手争い、最も期待したいのは…