とにかく目立つのがその運動能力の高さだ。175cmとそれほど上背があるわけではないが、ストライドの長いランニングフォームは迫力十分で、外野の守備範囲も広い。また投手として150キロ以上を投げていただけあって、その強肩はプロでも上位に入るレベルだ。過去2年間で一軍、二軍合わせてもホームランは0本とまだプロのボールに力負けしている部分はあるが、フォロースルーが大きくて柔らかいスイングは大先輩の福留孝介に重なるものがある。筋力がついてくれば、長打を増やせる可能性は高いだろう。

 昨年のドラフト中日はブライト健太(1位)、鵜飼航丞(2位)、福元悠真(6位)と3人の大学生外野手を指名しているが、いずれも戦力となるには時間がかかりそうなタイプであり、守備と走塁に関しては岡林に大きなアドバンテージがあることは間違いない。センターの大島洋平も年々スローイングの弱さが目立ってきているだけに、今年は大きなチャンスの年となりそうだ。

 昨年は優勝候補の筆頭ながらまさかのBクラスに沈み、世代交代が課題となっているソフトバンクでは4年目の水谷瞬を取り上げたい。石見智翠館時代は甲子園出場はなかったものの、県内では注目の強打者として評判となり、2018年のドラフト5位で入団。ルーキーイヤーは三軍でのプレーが大半だったが、2年目から徐々に二軍での出場試合数を増やし、昨年は打率.276、4本塁打、29打点、8盗塁という成績を残している。ナイジェリア出身の父を持ち、193cmという長身を生かしたパワフルなバッティングが最大の持ち味で、芯でとらえた時の打球の速さと飛距離は目を見張るものがある。また二軍戦ではランニングホームランも記録しているように、脚力も大きな魅力だ。攻守ともにまだまだ粗さはあるものの、チームにとって最も必要なタイプの選手である。昨年一軍で7本塁打を放ったリチャードとともに、将来の中軸を担う選手として期待は高い。

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昨年最下位の西武にも“面白い存在”