中日・岡林勇希(左)とソフトバンク・水谷瞬(写真提供・中日ドラゴンズ/福岡ソフトバンクホークス)
中日・岡林勇希(左)とソフトバンク・水谷瞬(写真提供・中日ドラゴンズ/福岡ソフトバンクホークス)

 昨年のプロ野球でブレイクした選手と言えば杉本裕太郎(オリックス)を真っ先に思い浮かべるファンも多いだろう。そんな杉本は2015年のドラフト10位でオリックスに入団しているが、ホームラン王としては史上最も低い順位でのプロ入りである。

【写真】“驚くほど美しい妻”と米メディアで話題になったマー君の奥様はこちら(他8枚)

 またルーキーながらセ・リーグの盗塁王に輝いた中野拓夢(阪神)もドラフト6位と指名順位の低さが話題となった。彼らのようにドラフトの指名順位は低く、プロ入り時の注目度こそ高くなかったものの、今年ブレイクする可能性を秘めた選手についてピックアップして紹介したいと思う。今回は野手編だ。

*  *  *

 最下位からの巻き返しを狙うDeNAで面白い存在となるのが3年目の蝦名達夫だ。青森大では4年春のホームラン王、秋に首位打者とリーグを代表する強打者として活躍したが全国大会での実績はなく、ドラフト6位でプロ入りしている。ルーキーイヤーは怪我で出遅れたものの、9月にはプロ入り初ホームランを記録。2年目の昨年も一軍に定着することはできなかったが、二軍では打率.307、9本塁打、39打点、18盗塁と見事な成績を残した。

 大型外野手でパワーに注目が集まるが、巧みなリストワークで広角に打てるのが大きな長所。また脚力と積極的な走塁も光るものがある。昨年10月には右足関節のクリーニング手術を受けたことで、体調面での不安なく新たなシーズンに臨めることもプラスになりそうだ。昨年のプレーを見る限り二軍のレベルは十分にクリアしている印象で、あとはどれだけ一軍レベルの変化球に対応できるかがポイントとなる。同じ右の外野手である大田泰示が加入し、一軍のレギュラー争いは昨年以上に厳しい状況となるが、チームにとってもまだ若い強打者タイプは貴重な存在だけに、3年目の今年は一軍で大きく飛躍することを期待したい。

 得点力不足が大きな課題となっている中日で、下位指名での入団ながら高いポテンシャルを誇るのが岡林勇希だ。菰野高校時代は下級生の頃から評判の本格派右腕で、3年時には150キロを超えるスピードをマークし、野手としても東海地区で屈指の打者として知られた存在だった。大舞台での実績のなさから5位という順位での指名となったが、1年目から早くも一軍で初ヒットを放つと、昨年は24試合に出場して15安打、2盗塁とさらに成績を伸ばした。

著者プロフィールを見る
西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

西尾典文の記事一覧はこちら
次のページ
中日・岡林の魅力は?