吉村知事のぶら下がり会見。バックに「大阪いらっしゃいキャンペーン2021」の文字も…
吉村知事のぶら下がり会見。バックに「大阪いらっしゃいキャンペーン2021」の文字も…

 新型コロナウイルス、オミクロン株が急拡大している。政府は沖縄、山口、広島の3県に、1月9日から今月末までまん延防止等重点措置を適用することを決めた。重点措置の適用は、去年9月に解除されて以来、岸田政権では初めてとなる。

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 7日に発表されたオミクロン株の新規感染者で、全国で最も多いのが沖縄県の1414人、次いで東京都の922人、大阪府676人と続く。厚生労働省幹部はこう指摘する。

「沖縄県は在日米軍関係者から感染が広がったことは、どう見てもハッキリしています。同じく米軍施設を抱える山口県も181人と拡大している。隣接する広島も429人と多く、岩国に近い県西部で感染が拡大しています。やはり基地の影響は否定できない。東京も922人と増えています。林芳正外相は米軍へ外出制限の導入などを求め、感染拡大防止策を米国と話し合ったが、どうしても腰が引けてしまっている」

 さらに厚労省が危惧するのは、米軍施設のない大阪での感染拡大だ。

「人口も882万人で東京都と比較すれば6割ほど。感染対策が不十分ではないのか」(同前)

 大阪府の吉村洋文知事は連日、記者会見で情報発信しているが、そのバックボードには1月5日まで<大阪いらっしゃいキャンペーン2021>という文字が躍っていた。ホームページを見ると<知らない大阪を探しに行こう!>というキャッチフレーズで、大阪への旅行、観光を促進するキャンペーンを打ち出している。

 大阪府内への宿泊は一人、1泊、1回あたり最大5000円が割引になる。そこに最大、旅行期間中に使用できるクーポン券が最大3000円分つくというもの。利用条件として、<ワクチン接種歴又はPCR検査等で陰性確認ができる事>と記されている。

 昨年、政府が打ちだした大阪版「GoToトラベル」の位置づけだ。吉村知事はキャンペーン開始にあわせて、昨年11月17日に<大阪いらっしゃいキャンペーンを開始します。府民の皆様対象限定です。また、対象の条件としてワクチン検査パッケージを導入しました。感染リスクを最大限抑えつつ、非常に厳しいホテル観光関連産業を支援するべくご理解お願いします。お得な内容です。>とツイート。

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「大阪いらっしゃいキャンペーン」は中止に