この日、中日打線を7回3安打1失点に抑えた大竹は、同一カード3連敗を阻止し、ヒーローインタビューに呼ばれた。

 ところが、テレビカメラの前に立ったまでは良かったが、待てど暮らせどインタビュアーのアナウンサーがやって来ない。

 実は、地元CBCテレビの宮部和裕アナが、ヒーローインタビュー担当であることをすっかり忘れ、中日側の取材に行ってしまったことが原因だった。

 ベンチの中で困惑の表情を浮かべる大竹に、「間が持たないから、何か喋ってくださいよ」と女性アシスタントが強引にマイクを手渡した。

 そこで仕方なく、「え~、大竹です」とファンに挨拶すると、アナウンサー不在の“セルフインタビュー”に、スタンドは爆笑の渦に包まれた。

 直後、やっと宮部アナが駆けつけ、大竹からマイクを奪い取ると、「お待たせしました。見事なピッチングでした」と遅ればせながらヒーローインタビューがスタートしたが、一度はスルーされた大竹のわだかまりは解けない。

「ハプニングでしょ。来ないかと思いました」とツッコむと、宮部アナが「失礼いたしました!」と丁重に謝罪したので、大竹も思わず吹き出した。

「(セルフインタビューは)感謝の気持ちを伝えようと……」と説明した大竹。その気持ちはきっとファンにも伝わったことだろう。

 最後に登場するのは、最速151キロのドラ1左腕としてヤクルトに入団し、8年目に外野手転向。14年にベストナインに選ばれ、15年にリーグ優勝を決めるサヨナラ打を放った雄平だ。

 14年5月7日の広島戦では、菊池涼介の右越え2ランの判定に対し、「(自分の)オデコに当たってからスタンドに入った」とアピールし、エンタイトル二塁打に覆った結果、無失点で切り抜けるという“スーパー珍プレー”を演じた。

 また、18年8月16日の巨人戦では、山口俊のワンバウンドのフォークをゴルフスイングよろしくすくい上げ、右前に勝利を呼ぶ先制2点タイムリーを放っている。

 そして、15年7月20日のDeNA戦でも、いかにも雄平らしい珍プレーが見られた。

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山田哲人も“焦った”雄平のプレー