藤浪が試行錯誤を続けている中、菅野も今季はプロ9年目で最も苦しいシーズンとなった。故障やコンディション不良の影響で4度の登録抹消を経験。内定していた東京五輪も出場辞退した。19試合登板で6勝7敗、防御率3.19は自己ワーストの数字に終わった。オフの自主トレで自分のコンディションを上げることに集中するため、藤浪の申し出を断っても不思議ではない。救いの手を差し伸べたのは、難敵として投げ合った投手に復活して思いがあるのだろう。

 異例の組み合わせの自主トレについて、SNS、ネット上では藤浪の復活を願う巨人ファンの声が目立つ。

「ジャイアンツファンだけどこれは大賛成。藤浪のポテンシャルは他球団ファンから見てもどうにかできないかと感じていた。菅野ならコントロール含め何か技を伝授できるはず。来季は無双する藤浪を見たい。そしていつかメジャーで大谷と対決してほしい。そんな大きな夢を描ける選手。がんばれ」、「巨人ファンですが、藤浪君には復活してさらにレベルアップもしてもらいたい。ほんとに制球力だけです。それだけであの一級品のスライダー、真っ直ぐ、フォークが本当の一級品になると思う。野球界の発展のために藤浪を宜しくお願いしたい」

 球界を代表するエースの菅野と復活した藤浪が「伝統の一戦」で手に汗握る投手戦を繰り広げる。多くの野球ファンがその光景を再び見られることを楽しみにしている。(安西憲春)