閣議のため官邸に入る堀内詔子ワクチン担当相
閣議のため官邸に入る堀内詔子ワクチン担当相

 堀内詔子ワクチン担当相、山際大志郎コロナ対策担当相も存在感が薄く、政治力でワクチン交渉を打破する、という気迫もないという。

「それでもやっている感を演出することには熱心で、6日に行われる首相の所信表明でも『ワクチン供給前倒し』の話をねじ込んだ。『日本ならできる、いや、日本だからできる』のような気合だけで中身の無いフレーズが岸田首相の所信表明で随所に盛り込まれる予定で、実務を任されている厚労省も困惑気味です。岸田政権のグタグタぶりで今後、大きな危機を招かないか心配です」(前出の官邸関係者)

 政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう指摘する。

「国交省幹部の独断と官邸や斎藤大臣は言いわけしているが、岸田官邸が機能不全になっているのは明らかです。今はオミクロン株の騒ぎと燃料の値上げで航空会社はどこも大変な時期。政治の不手際で大きな打撃を与えた。そもそも岸田内閣は肝心かなめのコロナ対策を誰が司令塔となってやるのか、曖昧になっている。菅政権の時は、田村憲久前厚労相、河野太郎前ワクチン担当相、西村康稔前コロナ担当大臣の存在感はあり、連携は必ずしもうまくいっていなかったが、政治力はそれなりにあった。だが、岸田内閣はコロナ司令塔の顔になる人材が見当たらない。ワクチン確保のため、きちんとチームを作らないと大変なことになる」

(AERAdot.取材班)