W杯の最終予選で苦戦を強いられているサッカー日本代表 (c)朝日新聞社
W杯の最終予選で苦戦を強いられているサッカー日本代表 (c)朝日新聞社

 サッカー日本代表は9月から始まったカタールW杯最終予選で、予想外の苦戦を強いられている。W杯出場の常連国となった今、本戦出場は安泰と見られていたが4試合消化時点で2勝2敗、同予選B組でW杯出場圏外となる4位と低迷。10月12日のオーストラリア戦(埼玉)に2-1で勝利したものの、いまだ森保一監督の進退問題が取り上げられるなど、予断を許さない状況が続いている。

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 そして、日本代表のW杯出場が微妙になっていることが「アウェー戦が見られない」という状況について、日本サッカー協会を動かし始めたという。

「予選突破は確実という雰囲気が選手、関係者、メディア、ファンにあった。だがW杯予選は何が起こるかわからない。海外組が増えチーム力は上がっているが、所属クラブとの関係や移動問題などが絡みコンディション調整などは難しくなった。選手のレベルがそのまま試合に出せていないジレンマを感じる」(サッカー関連スポーツライター)

 日本代表は来月11日にベトナム戦、16日にオマーン戦とアウェー2連戦が続く。予選B組では格下と見られる2チームからは確実に勝利を収めたいところだ。しかしこの大事な2連戦を多くの日本国民は見ることができない。従来はテレビ朝日など地上波で放送されていたが、今予選からアウェー戦は動画配信サービスのDAZN(ダゾーン)でしか見ることができないからだ。

 DAZNはアジアサッカー連盟(AFC)と28年まで長期契約を締結し、アジア最終予選の放映権を手に入れた。これまではテレビ朝日が05年に結んだ契約の延長を繰り返し17年からは4年180億円で契約を結んでいた。しかし昨年契約が切れるとAFCは契約期間8年、金額を従来の5倍以上に当たる1年換算200億円に契約条件を再設定したとされる。高騰した契約料を払えなかったテレビ朝日は今予選ではホーム5試合の放送権のみをDAZNとの間で1試合3~5億円でバラ売り契約したという。アウェー戦については、他局が手を挙げることもなく地上波放送はなくなった。

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“うまみ”のなくなった日本代表戦の中継