政府分科会会長で独立行政法人地域医療機能推進機能(JCHO)の理事長でもある尾身茂氏(C)朝日新聞社
政府分科会会長で独立行政法人地域医療機能推進機能(JCHO)の理事長でもある尾身茂氏(C)朝日新聞社

 尾身氏が理事長のJCHOの「幽霊病床」の補助金問題はAERAdot.がこれまで追及してきた問題だ。

◆尾身氏が認めたJCHOの「幽霊病床」

 幽霊病床とはピーク時にコロナ即応病床と自治体に申告し、多額の補助金を受け取っていながら実際はコロナ患者を受け入れず、空床のままにしていることだ。政府はコロナ用の病床確保策として、新たに重症患者向けの病床を確保した病院に1床あたり1950万円、中等症以下の病床に900万円を補助している。また「病床確保支援事業」では新型コロナ専用のベッド1床につき1日7万1千円の補助金が出る仕組みになっている。

 AERAdot.が8月28日に報じた「『国会で言う』西村大臣を黙らせる尾身会長への違和感 天下り公的病院コロナ病床は1割強」という記事では、自宅療養者が連日あふれ、尾身氏が国会で「医療ひっ迫」を訴える中、JCHO傘下の都内5つの病院のコロナ病床はわずか1割強。都内の都立病院などの5割強に比べ、少なすぎる実態を報じた。

 さらに9月1日には「【独自】コロナ病床30~50%に空き、尾身茂氏が理事長の公的病院 132億円の補助金『ぼったくり』」との記事で、都内に自宅療養者が溢れている8月末時点で、JCHO都内病院のコロナ病床が30%も幽霊病床にも関わらず、多額の補助金を受け取っている実態を特報した。

 尾身氏はこの時のAERAdot.の取材に対して、30%の空床などを認めた。さらに、9月18日には自身のインスタグラムで「#ねえねえ尾身さん」と題したライブ放送を行い、こう釈明した。

「補助金のぼったくりの話ですけども、看護師さんなんかを確保するのに難しいという理由はあったにせよ、実際に確保した、計画した病床よりも、実際に入れた患者が少なかったという事実はあるわけですね。この事実に関しての補助金の扱い方については、国や自治体が方針を示すと思いますから、その方針、判断に従って、適切な行動をとりたいと思っています」

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JCHOは311億円ものコロナ補助金で収益増