巨人で初アーチを放った中田翔(C)朝日新聞社
巨人で初アーチを放った中田翔(C)朝日新聞社

 首位・阪神を追いかける巨人。22日のDeNA戦は負ければ今季初の同一カード3連敗の危機だった。劣勢の試合展開でチームに流れを引き寄せたのが、無償トレードで日本ハムから加入した中田翔だった。

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「5番・一塁」で移籍後初のスタメンに抜擢されると、3点差を追いかける7回に今永昇太の内角直球を振り抜き、左翼スタンドに飛び込む2ラン。移籍後2試合目の出場で初アーチに巨人ベンチはお祭り騒ぎだ。続くウィーラーも同点ソロを放ち、引き分けに持ち込んだ。

 中田にとって特別な意味を持つ1発に、日本ハムの栗山英樹監督も思いを打ち明けた。報道によると、「やっぱりまずは巨人、原さんを含めて本当に感謝している。まずは恩返しのスタートになった。俺が翔に言うのは、ずっと恩返しをし続けなさいということだけ」と思いを口にした上で、「巨人ファンも含め、野球ファンに『やっぱり中田よかったよな』って言ってもらえるようなシーズンの終わり方をしないといけない。打ち続けていつか『やっぱこいつ頑張ったね。俺も頑張るよ』『おまえに勇気をもらった』と言わせなきゃダメだと思うんだよね。俺が何を言っても95%文句を言われるんだけど、ああいう風に(トレード移籍)するしか人のためになっていくことができない」と語ったという。

 ただ、このコメントに対して日本ハムファンの感情は複雑だ。都内在住の30代男性は、「栗山監督の感覚はずれすぎている。『恩返し』とか理解ができません。暴行の被害に遭った選手がいるんですよ。本来なら中田と共に栗山監督が記者会見で謝罪して、今季いっぱいはトレードに出さずに出場停止にするべき。チームが最下位に低迷する中、4番を打つべき選手が暴行トラブルでいなくなり、巨人で活躍している。日本ハムファンを馬鹿にしたような行動で理解不能です」と語気を強める。

 中田が日本ハム在籍時に後輩選手に暴行をふるったとして、球団が統一選手契約書第17条(模範行為)違反で1軍・ファーム全ての試合の出場停止処分を科したことを発表したのが今月11日。巨人への電撃トレードが20日に両球団から発表されると、21日に即1軍で出場した。SNS、ネット上では「巨人ファンだけど、中田を素直に応援できない」、「プロ野球界全体で、暴行しても結果を出せばチャンスがあることを証明しようとしているが、本当にそれでいいのか」など批判的な意見が多い。

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