スポーツ紙記者は大坂への思いを口にする。

「鬱病を告白し、現在の心身のコンディションが分からない部分はありますが、持っている実力を普段通りに発揮すれば金メダルに最も近い存在でしょう。力強くてしなやかなプレーを楽しみにしているファンは多いが、大坂の肉声を聞きたいという声も多い。大きなストレスを受けるようだったら無理強いはできないが、メダルを獲得したら記者会見を開いてほしいですね。彼女は純粋で言葉にも力がある。ユーモアもあるし人間的に大きな魅力を持っている。答えたくない質問があるならば、事前に質問を選ぶ形でも良いので自らの言葉で発信してほしい」

 大坂自身が言及したように、鬱病は完治したわけではなくこれからも向き合い続けなければいけない。東京五輪への出場を決めたのは覚悟が必要だっただろう。聖火ランナーを務めていた際、すがすがしい表情を浮かべていた。重圧は当然かかるが、コートでもテニスを楽しむ笑顔を見たい。(安西憲春)