かつてはメジャーリーグを意識したこともあり、プロでの目標は最速160キロ超えとシーズン200イニングを投げることと設定した田中。投球回に関しては18年に記録した13回2/3がキャリアハイと目標には遠く及ばないが、球速に関しては既に達成。公式戦ではないものの、19年2月のキャンプで行われた紅白戦で160キロをマークしている。もう一つの目標に到達するためにも、今後はやはり怪我なくプレーすることが重要となってくる。

「本格派としてチーム全員から認められる選手になりたいと思っています。1年目から日本一の力になれるように一生懸命頑張っていきます」(田中/16年11月22日の新人入団会見)

 あの日の言葉は本人だけでなく周囲も忘れていないはずだ。19年オフにプエルトリコのウインターリーグへ派遣されたことからも球団の思いも伝わる。変わらない期待があるからこそ、久しぶりの一軍登板に周囲も盛り上がった。試行錯誤の末に辿り着いた身体に無理のない投球フォームも、今の所はしっくりきているようだ。誰もが認める「10年に1人の素材」、故障さえなければかつての輝きを取り戻してくれるはずだ。