「広島時代も調子が悪くなり結果が出なくなることは度々あった。またCSなど短期決戦や勝負どころでは気負ってしまう。性格的にも考え過ぎるので、メンタル面が大きいかもしれない。また映像を見る限りは体が絞れていないように見える。汗出しウエア越しでも少し体が大きめ。コロナウイルス感染で休んだ影響も考えられる」(在京球団スコアラー)

「移籍から2年連続で日本シリーズ4連敗を喫して戦犯扱いされた。オフから相当、追い込んで練習していた。それが開幕していきなりのコロナウイルス感染ですからね。すべてが逆に作用しているように感じる。広島と巨人では注目度は比べ物にならない。移籍時に懸念された精神面が今になって影響しているのかな。本人もしんどい状況だと思いますよ」(広島担当記者)

 移籍3年目は苦しいスタートとなった丸だが、二軍では復調の予感もある。9日のDeNAとのファーム戦ではセンターバックスクリーン直撃のホームランを放つなど、ミスターのアドバイス効果も出ているように見える。

「どうだ?」(長嶋氏)

「意識をして力が入るようになりました」(丸)

 長嶋氏は、丸の腹筋部分を強く叩くことで体幹部分を意識するように無言のメッセージを送った。その後も擬音を使った“長嶋式指導”は続き、それに応えるかのように、丸は「シュン」と声を出しながら強くバットを振り続けた。スイングが鋭くなっているように見え、表情も明るく感じた。

 丸は攻撃面だけでなく、守備でもセンターラインとしての重責を担う。阪神の独走状態が続く中、追いかけるためにも欠かせない存在。そして、当然このまま終わるような選手ではない。長嶋氏の「もう大丈夫」という言葉は間違いなく丸に自信を与えたはずだ。報道では18日からの阪神三連戦で一軍に復帰するのが濃厚と見られている。昇格後どのような打撃を見せてくれるのか、今から楽しみだ。