今道:まず主張を書いたら、「なぜなら=理由」、つまり「こういう理由で反対なんだ」という根拠を出す必要があります。「筆者の考えの、ここが間違っているからだ」とか、理由を的確に指摘できて初めて、「ああ、それであなたは反対なんだ」と相手は納得してくれます。だから、相手を納得させるためには「理由」が大事になります。

もとゆき:それはよくわかります。

今道:それから、公務員試験などでは、「私は日本の人口減少に歯止めをかける必要があると考える」というような主張を書く場合があります。このような社会的な課題を指摘する主張に対しては、理由ももちろん知りたいけれど、「じゃあ、そのためにどうすれば良いの?」というところも当然知りたいですよね。

「日本の人口減少に歯止めをかける必要がある」だけでは言いっぱなしになりますから、「そのために、子育て支援策を充実させるべきだ」といった話を書きます。つまり、「どのように=方法論」を示すべきなのです。

もとゆき:そうすると、もっと理解が深まりますね。

今道:そうです。それと、「どのように=方法論」を説明するときなどは、「例えば=具体例」が欲しいです。「そのために、子育て支援策を充実させるべきだ」という考えに対しては、「一口に子育て支援策といっても、具体的に何をするの?」という疑問がわきます。

 だから、「子育て支援策として、例えば児童手当を増額したり、保育施設を増やしたりすべきだ」とか、例を挙げてください。そこまで書いたら「ああ、そういうことか」と納得できますね。「納得」「理解」とは、詰まるところ読んでいる人に、疑問を残さないようにするということです。

もとゆき:なるほど。

今道:相手の「納得」「理解」を得るためには、「主張」「理由」「方法論」「具体例」の4要素が大事なんです。答案の内容によっては、4つ全部はいらないこともありますが、とりあえず、何を書くか材料を探すときはこの4つのキーワードを元に考えると良いです。