女子テニスの大坂なおみ、ベルギーのKベールスホトVAに所属するサッカーの鈴木武蔵ら世界で活躍するアスリートが人種差別に対する抗議を積極的に発信しているが、ネット上では見るに堪えない誹謗中傷の書き込みが後を絶たない。

「この問題は10年以上前から提起されていますが、まったく状況は変わらない。ネット上の誹謗中傷は匿名で書き込まれるため、被害者が投稿者の情報開示を求めてもアカウントが削除された後で特定に難航するケースが多い。SNSの運営会社は投稿者がアカウント登録する場合に名前と連絡先、身分証明書の提示を義務付けるように法改正すべきではないでしょうか。『個人情報を特定されて言論の自由がなくなる』という声がありますが、言論の自由と相手を傷つける差別発言は違います。政府はこの問題に本腰で取り組まなければいけないと思います」(一般紙社会部記者)

 いかなる理由があろうとも、人種差別、誹謗中傷の発言は許されない。(牧忠則)