一方の巨人阪神と比べるとチーム状態が良いわけではない。むしろ開幕前に思い描いていた戦力からは大きく乖離している状況だ。投手陣ではエースの菅野智之が開幕戦の登板後にコンディション不良で登録抹消。シーズン初勝利をマークしたのは4月16日だった。DeNAからFAで加入した井納翔一も移籍後初登板となった3月31日の中日戦で2回を持たずに4失点で降板となり、現在は二軍で調整となっている。

 抑えのデラロサも3月31日に入ってようやく一軍登録されたが、すぐにアメリカでの市民権取得のために渡米となり登録抹消となった。高橋優貴、今村信貴の両左腕が好調なのは嬉しい誤算だが、ローテーションもブルペンも阪神に比べると整備はまだまだという印象だ。また野手もセ・リーグ連覇の立役者の1人である丸佳浩が新型コロナウイルス感染で離脱。新たなリードオフマンとして期待される梶谷隆幸の調子が上向いてきたのはプラス材料だが、日替わり打線でやりくりしている感は否めない。しかし逆に言えばこれだけ戦力が揃っていなくても、勝てる試合をしっかり拾って2位(11勝6敗4分け 阪神と3ゲーム差)につけているというのは、さすがという他ないだろう。

 今後の戦い方ということになると、両チームとも主力に思わぬ離脱があった時にその穴を埋められるだけの選手を揃えられるかという点がポイントとなりそうだ。阪神で期待が大きいのがアルカンタラとロハス・ジュニアの新外国人2人だ。

 コロナ禍で来日が遅れていたものの、隔離期間もようやく終わり、4月20日にも二軍の練習に合流する予定となっている。外国人枠の問題はあるものの、現在好調な選手が調子を落としてきた時にすぐカバーできる候補として非常に心強いことは間違いない。オープン戦では打ち込まれていたチェンと、昨年リリーフである程度の成績を残したエドワーズの2人も二軍では安定した成績を残しているのも好材料だ。若手も投手では西純矢、及川雅貴、野手では小幡竜平、井上広大、小野寺暖などもチャンスがあれば抜擢したい選手たちである。

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巨人も助っ人がカギを握る?