公立の小学校でも児童に「iPad」などのタブレット端末が配られるようになりました。学習ツールとして便利な反面、自由にネットにつなげられるため、親からは戸惑いの声も聞かれます。三男一女4人の子ども全員が東京大学理科III類に合格した佐藤ママこと佐藤亮子さんに、タブレット端末との賢い付き合い方を聞きました。
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―最近の子育ての悩みについておたずねします。今は「子どもがゲームに夢中で勉強しない」というのが共通の悩みで、「スマホ中毒」「スマホ依存」を心配する親御さんが多い印象です。佐藤さんに寄せられる子育ての相談で、新たに増えているテーマはなんでしょうか。
佐藤亮子さん(以下、佐藤ママ):iPadなどタブレット端末との付き合い方の悩みが多いですね。コロナ禍で学校や塾がオンライン学習をせざる得なくなったこともあったので、急速にオンラインの環境が整備されました。従来からそのような傾向はありましたが、公立の学校でもiPadをはじめとするタブレット端末が一人ひとりに配布され、それで授業をし、宿題もタブレットに出され、子どもはタブレットに答えを書き込んで先生に送るというような状況になっています。教科書もタブレットにしようという動きもありますね。
子どもは自分専用のタブレットを所有することになって、いわば学校のお墨付きで自由に使えるので親としてはそこのところが非常に心配なのです。こうしたツールを勉強のために利用するとなると親も使用を認めざるを得なくなっているので、使い方を指導するのがかなり難しいようです。必然的に子どもがインターネットに触れる時間も格段に増えてきているし、ネットに流れている全ての情報に触れることができてしまうというのも深刻な問題となっています。
――具体的にどんな問題や課題があるのでしょうか。
佐藤ママ:タブレットを使いながら、子どもが自ら学習・遊び・息抜きの線引きをするのは非常に難しいのです。子どもから「宿題をやるのに必要だから」と言われると、親はなかなか「使ってはダメ」と言えません。