グリーンジャケットに袖を通して喜ぶ松山英樹(Getty Images Sport)
グリーンジャケットに袖を通して喜ぶ松山英樹(Getty Images Sport)

 歴史的快挙だ。海外男子メジャーのマスターズが、米ジョージア州のオーガスタ・ナショナルGCで11日に最終ラウンドが行われ、松山英樹が通算10アンダーで悲願のメジャー初制覇を果たした。

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 4打差リードの単独トップから出た松山は前半を2アンダーで折り返したが、15、16番と連続ボギー。一時は2位に1打差まで迫られたが、重圧をはねのけた松山は強かった。18番をボギーとしたが大崩れせずに踏ん張り、トータル4バーディー、5ボギーの1オーバーにまとめ、「73」で逃げ切った。

 マスターズ覇者に贈られるグリーンジャケットに袖を通す初のアジア人選手となり、テレビで解説の中嶋常幸も「すいません、苦しかったから、本当に良かった…」と感涙。ゲスト解説の宮里優作も「本当にこんな日が来るなんて…。彼の夢に僕らが乗っかっているんですけど、日頃からトレーニング、練習してきたので本当に良かった、ありがとうと言いたい」と声を詰まらせた。祝福の声は日本だけでなく、世界中から届いた。タイガー・ウッズは自身のツイッターを更新し、「ヒデキは日本の誇りだ。おめでとう。この優勝は君にとっても君の国にとっても偉業。この歴史的なマスターズでの優勝はゴルフの世界に大きな衝撃を与えることになる」と賛辞を綴った。松山の快挙はアジアのゴルファーにとっても大きな励みになり、刺激になっただろう。

 一方で、このマスターズでは韓国のキム・シウーがラウンド中にパターをたたき壊した行為が神聖な舞台に水を差した。問題の行為はマスターズ 2日目の15番ホールで起きた。ウェッジを使った3打目のアプローチがカップを通り過ぎて、反対側のエッジまで転がると苛々した表情を浮かべる。すると、4打目に臨む前にパターのグリップを握った右手を突き上げると地面に思い切り叩きつけて壊した。3番ウッドでパーを決めたが、ボールを拾い上げると池に投げ捨てた。その後の15番から計8回のパットを3番ウッドでこなし、全てパーで周り、スコアを「69」に伸ばして通算4アンダーに。決勝ラウンドに進み、最終順位は12位タイの2アンダーだった。

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