キム・シウーは韓国ゴルフ界で「次世代のエース」と将来を嘱望されている。12年のPGAツアー最終予選会を史上最年少の17歳5カ月6日で通過すると、17年に「第5のメジャー」と呼ばれるザ・プレーヤーズ選手権に出場して史上最年少の21歳で制覇。飛ばし屋で知られ、潜在能力は高い。松山を尊敬し、練習熱心であることでも知られる。一方で好不調の波が激しく、メンタルコントロールが課題とされていた。今回のパターを壊した行動も、負けず嫌いな性格が裏目に出て自身を制御できなかったのだろう。

 この「問題行為」は大きな波紋を呼んだ。米メディア・Golf Digestは「あの時点で、彼はトップのジャスティン・ローズと3打差だった。そのような状況でマスターズ史上、最も無謀で問題視されるべき行動に及んだ」と酷評した上で、「究極の戦いにおいて、パターを失うことの意味を理解していたのか。3ウッドで代替したものの、パターだったなら残る3ホールすべてをパーで終えることもなかっただろう」と指摘した。

 SNSやネット上でも、「マスターズを侮辱した行為は許されない。同じラウンドで回るゴルファーにも多大な迷惑をかけている。永久追放にするべきだろう」、「まだ25歳と若い。過ちを犯すこともあるだろう。だが、クラブを叩き壊し、ボールを池に投げ捨てた点で失格にすべきだった。ゴルフが巧いだけの選手はマスターズに参加する資格はないということを理解させないといけない」などキム・シウーに対して批判のコメントが殺到している。

 世界中のゴルファーが憧れるマスターズ。愚行が話題になるのは今回が最後になることを願うばかりだ。(梅宮昌宗)