「極端に吉村さんが好き、という視聴者は実はあまりいないのかもしれません。ですが、やはりバラエティでは重宝されています。よく言われたことですが、トーク番組の『裏回し』要因として吉村さんは欠かせない存在になっているんです。特に今、コロナでロケができないので、スタジオでの盛り上げ役が必要ですしね。トーク番組では、俳優などのゲストに、なるべく逸脱した面白い話をしてもらいたいので、芸人さんに流れを破るよう仕向けたりするんですが、上手な裏回し役がいれば、その逸脱した話もうまく元の流れに戻せる。そういう意味で、制作陣としては吉村さんがいると台本が書きやすい。トークの合間に“楔(くさび)”として吉村さんを置いておけばいいですからね。裏方だけでなく、有吉弘行さんなどの大物MCやジャニーズのタレントからも重宝されているので、さまざまな番組で需要があるんです」(放送作家)

■ライバルは関ジャニ・村上か!?

 しかし、目立った代表作や賞レースで優勝した経験がなく、視聴者からは「大物タレントに可愛がられている腰巾着的な存在」というイメージがあるのもたしかだ。

「以前は“破天荒キャラ”を打ち出して前に出ていきたい、出ていこうとする思いも強く感じられましたが、最近は『場』を盛り上げるほうに徹していますね。少々真面目な番組でも、話の内容をしっかり聞いて、上手にツッコミを入れてくれる。専門性のある番組では、“素人で無知であること”を強みにしているので、下手な知ったかぶりをしません。本番前になると台本を読み込んで、自分がどう入っていくかシミュレーションしていると聞きます。とにかく裏回しではなかなか右に出る人もいない。あえて言うなら、関ジャニ∞の村上信五さんが同じタイプだと思います」(民放バラエティ制作スタッフ)

 このように、業界内からの評価が高い最近の吉村。極楽・加藤を慕っているのはもちろんだが、他にも重宝してくれる先輩芸人やスタッフがいる限り、今のポジションは安泰かもしれない。

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「吉村さんが番組全体の流れを作っていた」