オンラインでつながった100大学の学生が1本の映画を制作 「伝えたかったのは希望」 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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オンラインでつながった100大学の学生が1本の映画を制作 「伝えたかったのは希望」

西島博之dot.
映画『突然失礼致します!』の告知チラシ(写真提供/A_JAPARATION_FILM)

映画『突然失礼致します!』の告知チラシ(写真提供/A_JAPARATION_FILM)

昨年11月、群馬県庁で行われた劇場公開に関する記者会見。写真左が熊谷宏彰さん(写真提供/A_JAPARATION_FILM)

昨年11月、群馬県庁で行われた劇場公開に関する記者会見。写真左が熊谷宏彰さん(写真提供/A_JAPARATION_FILM)

「外出は自粛しても活動までは自粛しない」。新型コロナウイルスの感染拡大により、この1年、大学生はサークル活動の自粛を余儀なくされてきた。そのなかにあって、全国約100大学120の映画団体が参加して制作されたオムニバス長編映画「突然失礼致します!」(製作・配給:A_JAPARATION_FILM)が各地で劇場公開されている。

 東京に謎の竜の姿をした生命体が現れるアニメーションシーンで始まるこの映画は、ひとりの大学生の呼びかけがきっかけとなってつくられた。映画の総監督を務めた群馬大学社会情報学部社会情報学科4年の熊谷宏彰さんだ。熊谷さんは2019年10月、群馬大映画部【MEMENTO】を創設。20年度から本格的な活動をしようと思っていた矢先に新型コロナウイルスの感染が拡大し、サークル活動どころではなくなった。

「他の大学の映画部はどうしているんだろうと思い、いくつかの大学映画部にオンラインでの交流会を呼びかけました。そのなかで、みんな『映画を撮りたい』という強い思いを持っていることがわかったのです」(熊谷さん)

「撮影は3密を避け、屋内のみで行う」「テーマは『希望』」「1作品1分以内」を条件に全国から作品を募集したところ、実写、CG、アニメーションなどさまざまな表現技法を駆使した180の作品が寄せられた。そこで出来上がったのが3時間を超える長編「突然失礼致します!」。実は、熊谷さんが他大学に呼びかけたときの第一声が「突然失礼致します!」だったといい、それがそのまま映画のタイトルになった。

 昨年8月中旬から10月末までYouTubeで公開。総再生数は2万5000回を超えた。当初から劇場公開を計画していたため、YouTube公開中に作品投票を行い、上位66作品を90分の劇場版に再編集した。

 熊谷さんのもとには、劇場でみた観客からさまざまな感想が寄せられている。

「いろんな大学生が感じ、考えた希望の表現を見て、自分も未来へ向かって希望を紡いでいこうと思えた。素晴らしかった」(大学生)

「ここまでの苦労は計り知れないものだったと思いますが、そのぶん、達成した喜びも格別だったと思います。また次に向かって頑張ってください」(社会人)

 熊谷さんはこう語る。

「この映画で伝えたかったのは希望です。全国から180通りの希望が集まりました。映画を通じて観客の方には自分なりの181番目の希望を紡いでほしいと願っています。外出自粛期間であっても、やりようによっては映画がつくれます。コロナ禍で活動できないでいる大学生の後押しができればと考えています」


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